陶筥作り

本日は削りに手間のかかる陶筥(とうばこ)のロクロ挽き。本体と蓋を別々に作り、合わせの凹凸部分は削って仕上げます。

 先ずは本体をロクロで成形。ドラ鉢のようなカチッとした形に。

 見込みの中心部は焼成後ロクロ目が出やすいので、ゴムベラで四方八方に土を動かし、円形に付いた土のクセを散らしていきます。
削って真っ平らに仕上げても焼成後にロクロ目が出てくる場合が多いので、大皿や鉢でも必ずこの一手間を行っています。

 本体の寸法に合わせて蓋を制作するので、外パスで本体の径の寸法を測っておきます。

 蓋部分のロクロ挽き。ちょうど蓋を逆さに見た状態で制作します。蓋の天井はドーム型に丸く仕上げるので、鉢を挽くイメージで内側の弧のラインを大事にしながら徐々にひろげていきます。

 ある程度ひろげたら外パスを当てて、先に制作した本体の寸法と合わせて微調整します。

完成したら作品と亀板の接着部分に剣先(けんさき)か針を数ミリ入れてロクロを1周させます。磁土の場合、作品と亀板を糸で切り離さなくても乾燥してきて4、5日経つとポン!と簡単に外れます。ちょうどそのくらいの乾燥具合が粗削りのタイミングに適してると思うので、壺や鉢くらいの作品なら大丈夫だと思います。

外れるタイミングの見極めは、見込み部分に手を当て、土がベタつかなければおおよそ大丈夫。まだ手にベタつきを感じるようならもう1日待ちます。

ただし、亀板との接着面積が大きい大皿に関してはそのタイミングでは遅く、高台脇に巻き切れが入る可能性もある為、ワイヤー・切り糸で早めに切り離しておいた方が無難です。