何年か前にお客様から蕎麦猪口の注文を受けた事がありました。作ってみて楽しかったので今回の個展用にもいくつか作っています。

レンコン模様。背面にはグレーのシルエットで蓮が描いてあります。

ナス模様。同じく背面にはナスの花が描いてあります。ナスの下地には試薬の塩化金の水溶液を素焼きで焼き付けていてその上に染付用の呉須を吹き付けて濃い紫色に仕上げます。
1グラム6千円~7千円の高価な試薬です。塩化金が試薬の中でも注意が必要なのは手に付くと紫色に変色して数日間は洗っても取れない事です。劇薬指定なので購入には身分証明が必要。
学生の時に何も知らず口で吹く霧吹きで吹いて吹き返しで顔面にも掛かってしまいました。良い子はマネしちゃいけません。金属製の霧吹きに塩化金が侵食して金メッキのようになった時に恐怖を感じました。筆も動物の毛だと数日後に腐食・劣化して使えなくなるのでナイロン製の筆がおススメです。筆を洗う時にゴム手袋をお忘れなく。

ちょうど下の写真でピンク色になっているのが塩化金の発色です(焼き付ける前は黄色い液体ですが)扱いを間違わなければ美しい発色を得られます。素焼きに塗って釉薬を掛けると釉の水分で模様がにじみ、裏に色が抜けるので色を置いたら一度素焼きで焼きつけるのがいいと思います。
偶然性を狙い滲ませたい場合はそのまま釉薬を掛けてみましょう。触ると手が変色するので触らないように釉薬をかけるかナイロン製の手袋などを使用してください。
透明釉より乳濁した釉薬の方が柔らかい色になります。

何となく天ざるの天ぷらに入っていそうな野菜の絵付けになってしまいましたが、、そろそろ金魚とかに路線変更しないと「野菜⇔花」のネタに行き詰まりそうです。
案内状の切手貼るとこにチョコっと入れていただきました。
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息子の作品もついに自身が乗れる物が登場。乗れるから実用的な作品か!?

「牛乳パックは乗ると潰れるよ~」と言うと目に涙をいっぱいに溜めてこの世の終わりのような表情になったので、親も一生懸命考えて中に新聞紙をパンパンに詰めて対策。まぁ子供なら座っても大丈夫な強度です。
先っちょについてるのはアロサウルスの頭。後ろに引っ張ってる宝箱の中には大事な恐竜や動物のオモチャが入っています。
不思議な感性だ。
蕎麦猪口にアロサウルス、、いいかもね。